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アウトソーシング

ADPS戦略におけるアウトソーシングに関する考察について。

1.はじめに

サービス業の進展と、コスト削減意識の強まった企業のニーズから、アウトソーシングが注目されている。 バブル崩壊後の経済的低迷からの立ち直りのキーワードの一つとして捉えているところも多い。 一方、アドプスは合理化・効率化路線と戦略化の両方を見据えて、今日まで人事情報システムのパイオニアとして数多くの提案をしてきた。 こうした事を背景として、今回アドプス戦略におけるアウトソーシングの位置付けについて考えてみたい。

2.アウトソーシングの定義

アウトソーシングの解釈はさまざまであり、定義が難しい。一言でいうなら、外部(OUT)資源(SOURCE)の活用といえる。 広義のアウトソーシングとして、下請、請負、外注、人材派遣、コンサルティング、業務代行、分社化等が挙げられるが、運営主体や業務の企画設計などから最近注目されている、戦略型アウトソーシングとは別に位置づけられている。 戦略型アウトソーシングは新たに始める機能や業務について、@コア業務への経営資源の集中、A専門性の確保、Bコスト削減など明確な戦略的目的を持って業務の設計から運営まで一切外部かすることをその特徴としている。

▲PAGETOP

3.アメリカでのアウトソーシングの歴史

アメリカでアウトソーシングが注目され出したの 1980年代といわれている。 1980年代後半から90年代にかけて各種のアウトソーシングが積極的に行われた事がアメリカ経済の立て直しに大きく貢献したといわれている。

アメリカでは、80年代前半にリストラ・組織のスリム化が行われたが、この雇用削減による業務の代替は、主として人材派遣などにより行われていた。ところが、80年代後半に入ると人員削減の流れが大企業に定着し部門の削減・ライン階層の削減・等による組織の業務の流れ・システムの変革が積極的に行われそれに伴って対応する手段としてアウトソーシングが定着してきた。

しかし、初期段階のアウトソーシングでは、もっぱら合理化・効率化を念願に置いたコスト削減が中心であった。ところが、90年代に入りアメリカのアウトソーシングは単なるコスト削減からサービスの質・内容・専門性に大きなウエイトを置いたものに進展していったのである。

これは規制緩和により新しい事業がどんどん立ちあがり経済の立て直しを行ったという事がその背景にはあるが、技術が大きく変わり人材の流動化が著しく進展する局面においては、内部で技術革新に対応する人材を育成し、長期にわたって確保する必然性が、コスト的にも時間的にもなくり、むしろ内部でまかなうよりは、専門性の高い外部機関に任せたほうが有利な状況が生まれてくる。

これが外部機関アウトソーシングに対する強いニーズが顕在化した理由である。

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4.アウトソーシングのポイント

アウトソーシングは有効な経営手法であることは疑いの余地はない。 しかし、その性質をしっかり押さえてから実施しないと取返しのつかないことになる。 そこでアウトソーシングを有効に活用するポイントを考えてみたい。

 

業務内容の把握と対象業務の絞込

まず問題となる実態を把握しなければならない。

アウトソーシングは解決手法の一つであって、そのものが目的になってはならない。現状のどこに問題が有って、それを解決するのには何がベストなのか?業務の流れを変えることも、業務を無くしてしまうことも、新しいシステムを構築するのも、派遣を利用するのも、アウトソーシングするのも選択肢の一つなのである。

アウトソーシングの目的

短期

  • 業務処理コストの削減→統計では9%程度
  • 資産の有効活用→コア業務への集中
  • 社内にない資源の活用→専門家の活用
  • 管理能力の向上→自社では管理しづらいものが管理でき且つコスト意識が生まれる

長期

  • コアコンピタンスの強化→外部の専門性を確保できることによりコアコンピタンスにさらに磨きがかかる
  • グローバルスタンダードの構築→レベルの高い外部企業を使うことにより、標準化を意識した業務改善が進む
  • リエンジニアリング効果の促進→業務の流れ、効果的なシステム構築が可能
  • リスク分散→外部企業を使うことで客観性が保て、柔軟な意思決定が出来る
  • スピードアップ→必要な能力を外部から確保できるので育成期間が短縮でき、コアビジネスの進展のスピードアップが出来る

最終目標の明確化

アウトソーシングに最終目標というものはないが、曖昧なままにしておくわけには行かない。

そこで、当初考えた到達点を目標として明確化しておかなければならない。 一つの到達点をクリアし次のステップに進むということを繰り返すことにより、量的なものから、質をも含めたものに高度化していける。

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5アウトソーシングのメリット・デメリット

新しいことを始めるには必ずメリットとデメリットがある。

メリットや耳触りの良さに惑わされては導入してから後悔する事になる。そこで必ず、メリット以上に慎重にデメリットをつかんでおく必要がある。 メリットについては既に述べた通りであるが、デメリットとしては次のようなものが上げられる。

  • 社内における専門性の欠如
  • 機密漏洩
  • 従業員のモラール低下

アウトソーシングかされた情報を、アウトソーサーに任せっきりにするのではなく、必要な情報をどうやって内部に取り込み、付加価値をつけるかということを考えておく必要がある。機密の問題も安かろう悪かろうであってはならず、機密の問題は自社の命取りになり兼ねないものだけに、信頼の置けるアウトソーサーを選ばなければならない。

又、社内には何故アウトソーシングするのかということをしっかり認識させ、意識改革を積極的に行う必要がある。

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6.日本型アウトソーシング

欧米諸国では、アウトソーシングが戦略の一部になっている。

議論の中心は、アウトソースするかどうかではなく、改革を必要としている業務のどの部分をどこにアウトソースし、成果を上げるかになっている。 我国に目を向けてみると、長期の構造的不況から、リストラを試みたものの、今一つ成果が上がったかというと疑問を持たざるを得ない。

それよりもむしろ、BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)のほうがむしろ風土として根付いている。 したがって、リストラ的なアウトソーシングではなく、付加価値創造、共存共栄的なアウトソーシングは広がる余地が考えられる。

日本におけるアウトソーシングの現状

我国は、アメリカに比べて規制が多く、グローバルな戦いをしていない業種が多い。

しかし、グローバルな戦いをしている業種については、戦いの相手が戦略の一つとして、アウトソーシングを行なっているので、耳を傾けないわけには行かない。

実現に向けての障害は人の問題である。 アメリカでは、移籍や解雇を効果的にすることによりスムーズに改革を進められるが、我国ではそうはいかない。 このような事を考えるとすぐには一般的になるとは考えにくく、雇用に対する考え方がもう少し欧米化する時期まで厳しいのではないかという見方もある。 その一方で、グローバルな戦いを行なっているところは、意外に早く進む可能性も有り、早くて2〜3年、遅くて5〜6年といったところであろう。

また、現状はアウトソーサー側がいろいろとPRしているものの、アウトソースした側がアウトソーシングしたことにより、収益に大幅な貢献が有ったというような情報がなく、起爆剤がない状況である。このようなことから、横並びを好む民族特性から距離をおいて、模様眺めをしているところが多い状況といえる。

日本型アウトソーシング

日本の製造業では下請制度を採るところが多くある意味でのアウトソーシングと言える。

最近ではこうしたものに加えて、派遣型のものや、機能を丸ごとアウトソーシングするものも出てきている。

下請型アウトソーシング

自動車産業を例にするケースが多いが、その外注比率は70%を超すといわれている。

日本の自動車メーカーは自社は組立に専念し、部品は系列企業、加工は下請企業という具合に囲い込んでいるというのが現状だ。 このように出来るのは、中小企業の技術レベルが高いという素地が有るのに加えて、囲い込みの風土が有るために、取引を長く続け、資金的に支援しながら育成してきということもいえる。このためにあうんの呼吸で仕事が出来るというのがメリットであるが、その一方で競争原理が働かないというようなデメリットもある。

派遣型アウトソーシング

企業の人員対策として、終身雇用慣行が根強いことから、人員の内部移動や残業を繁閑の調整弁としている。この調整弁で足りない場合に、中途採用や人材派遣で対応している。

人材派遣業は、事務系要員を中心に、拡充を続けてきている。 最近では派遣人材の質が向上し、委託側よりもスキルが高かったり、それを戦略とするために教育をしたりというような動きもある。すっかり外に出してしまっては不安と考える企業もあり、そうした時には派遣型は、目の届く範囲のところで業務を行っているというような安心感もある。

情報システム分野でも、運用を手がけるところや、設計を手がけるところも多い。 そうしたところでは、技術的な裏付けがしっかりしており、信頼が厚く、プロジェクトが進むに連れて人員を増加させ、終わり近づく連れて人員を減少させるというような手法を取り、委託元にとっても無駄なコストの削減が出来、委託を受ける側にとっても、ピーク時には新入社員の教育も合わせて行なえるというようなメリットもある。

機能アウトソーシング

人材派遣という手法が進むと、今度は正社員でなくても業務をこなせるような環境ができる。

そうするとその延長線に考えられるのが、その機能ごと外に出してしまおうというものである。 代表的なものとして警備の仕事が挙げられる。警備員を派遣してもらうということよりも、警備の仕事をすべて委託したほうが、機能的で責任の明確化も図れる。 アメリカでは情報システムで特にその傾向が強い。 最大のアウトソーシング会社であるEDSは情報処理システムを請負うと、人員ごと受け入れるというケースさえもある。 日本では雇用慣行からなかなかこうしたものはないが、機能をまるごとアウトソースするのも徐々に出てこよう。

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7人事部門のアウトソーシング

右肩上がり経済環境のもとでは、横並びしておけばよほどの事がない限り、企業はそこそこ利益を確保できた。 企業が長期安定成長するのは当然のことと思い込み、生産量と販売量の拡大に隠れて管理部門の効率化が進まなかった。

特に、中高年における給与と貢献度の乖離が大きく、過剰なサービスとともに経営側から無視できないような状況になっている。ホワイトカラーの生産性を上げるもっとも有効な手段は、何といっても人を削減することに尽きる。個人個人の生産性を上げるという取り組みは過去から何度も行なってはいるものの遅々として進まない。それよりもなんでも自社でするのではなく、極力することを止めるということが重要である。また、精鋭だから少数で出来るのではなく、少数だから精鋭になるということもいえる。 人事部門の仕事は比較的にアウトソーシングできるものが多い。

そうすると、自前ですべてまかなっているのに比較して数分の1の要員で済むことになる。 アウトソーシングしやすいといっても闇雲にするわけにはいかない。 人事部で取扱っている自社のコアコンピタンスまでをアウトソースしてしまうと企業の存亡に関わってしまう。 したがって、アウトソーシングを検討するときには、自社のコアコンピタンスは何か?ということと、アウトソースできないものは何かということを よく考える必要がある。加えて、惰性で行なっている仕事を思い切って捨ててしまうことを忘れてはならない。

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8.人事教育部門でのアウトソーシングの難易度

キャリアブレーン社の調査による人事部門のアウトソーシングの難易度は次のようになっている。

 職務内容
難易度
採用人員の策定 
1.要員策定基準の設定
A
2.中期長期経営計画における採用人員の策定
A
3.当該年度における採用人員計画の策定
A
採用計画
1.定期採用  
 a.採用基準の設定
B
 b.初任給の決定
A
 c.PR媒体利用の企画・立案(求人票・入社案内・PR媒体)
C
 d.学校訪問スケジュール表策定
C
2.中途採用
 a.選考基準の設定
B
 b.初任給の決定
C
 c.PR媒体利用の企画・立案
C
3.臨時採用
 a.選考基準の設定
C
 b.初任給の決定
D
 c.PR媒体利用の企画・立案
D
採用活動
1.PR媒体の原稿作成・ゲラ刷り・校正・色合わせ・必要部数印刷発注
C
2.PR媒体の発送
E
3.学校訪問
C
4.会社訪問受付・説明
D
5.PR媒体利用後フォロー
D
6.会社説明会
C
採用事務
1.応募書類ファイル・名簿作成
E
2.採用試験スケジュール決定
C
3.採用試験通知
E
4.採用試験実施
D
5.採否決定通知
E
6.内定者徴収資料の送付・回収・整理・保管
E
7.内定者フォロー
C
人事考課
1.人事考課スケジュールの企画・立案
C
2.考課者訓練の実施
B
3.昇格試験問題の作成
C
4.試験の実施・採点
C
5.考課報告用紙の評定者配布・回収
E
6.考課報告書の集計・調整
D
7.昇降格者の選定
B
8.資格審査委員会への報告
D
9.資格審査委員会決定事項の記録
E
昇格
1.辞令の発行
E
2.社内掲示
E
降格
辞令の発行  
昇給
1.異動企画・立案・調整
B
2.辞令の発行
E
3.社内掲示
E
退職
1.退職届の受理
E
賞罰
1.賞罰候補者の立案・賞罰内容の立案
B
2.賞罰の通知
C
人事記録カード・人事マスター
1.人事記録カード・人事マスターの記録
E
各種委員会人事
1.前委員への後任委員の推薦依頼と立案
E
2.辞令発行
E
3.社内掲示
E
研修
1.全社研修計画企画・立案
A
2.経営幹部育成研修計画企画・立案
A
3.中堅社員・幹部社員研修計画の企画・立案
C
4.新入社員(定期採用・中途採用)研修計画の企画立案
C
5.新入社員(定期採用・中途採用)研修計画の実施
D
6.中堅社員・幹部社員研修の実施
D
7.経営幹部育成研修の実施
D
8.研修報告用紙の配布・回収
E
9.人事記録カード・人事マスターの記録
E
勤怠記録
1.タイムカード記録
E
2.休暇管理表・勤怠管理表の記録
E
3.欠勤者フォロー
C
4.求職者フォロー
C
5.復職者フォロー
C
6.勤怠集計事務
E
労使協議会
1.労使協議会議案書の企画・立案
B
2.労組提案議案の検討
A
給与
1.定期昇給に関する企画・立案
C
2.体系変更(ベア)に関する資料収集と立案
B
3.賞与に関する企画・立案
C
給与事務<月例給与>
1.基本データ作成
D
2.変更データ作成
D
3.データ送付・回収・整理
E
4.現金支給分出勤伝票作成
E
5.給与袋詰め
E
6.給与配布
E
7.組合費徴収・交付
E
賞与事務
1.基本データ作成
D
2.変更データ作成
D
3.給与袋詰め
E
4.給与配布
E
住民税
1.住民税市町村別個人名簿作成
D
2.住民税個人別徴収税記載
D
3.住民税市町村別徴収税集計・報告
D
4.住民税徴収通知書に基づく変更データ作成
D
5個人別住民税明細書の配布
E
年末調整
1.扶養控除等異動申告書・保険控除申告書配布
E
2扶養控除等異動申告書・保険控除申告書配布徴収・整理・保管
E
3.各種領収書の徴収・整理・保管
E
4.年末調整変更データ作成
D
5.所得税過不足額の払戻・徴収
D
社会保険
1.算定基礎届
 a.コンピュータアウトプットデータ資料に基づく日給者の稼働日数の修正処理
D
 b.算定基礎届の送付・整理
E
2.健康保険
 a.資格取得・喪失届の作成
D
 b.変更データ作成
D
 c.資格所得・喪失届の送付・回収・整理
E
 d.健康保険証交付
E
 e.各種手当金(出産育児など)請求書作成
D
 f.各種手当金(出産育児など)の送付・回収・整理
E
 g.各種手当金の本人配布・領収書徴収
E
 h.還付金の本人配布・領収書徴収
E
3.厚生年金保険
 a.資格取得・喪失届の作成
D
 b.変更データ作成
D
 c.資格取得・喪失届の送付・回収・整理
E
 d.厚生年金手帳の交付
E
4.雇用保険
 a.資格取得・喪失届の作成
D
 b.変更データ作成
D
 c.資格取得・喪失届の送付・回収・整理
E
 d.雇用保険被保険者証の送付
E
5.労働保険  
 a.労働保険加入手続
D
 b.労働保険概算確定保険料申告書の作成・提出
D
 c.概算保険料通知書に基づく支払伝票起票
E
 d.労働保険請求手続
D
諸規程改定
1.給与規定改訂の企画・立案
B
2就業規則改訂の企画・立案
B
b.退職金規定改訂の企画・立案
B
d.企業年金規定改訂の企画・立案
B
e企業年金の加入・脱退・請求
D
福利厚生
1.健康診断  
 a.成人病健康診断  
  1)日程計画立案
D
  2)名簿作成
E
  3)受診者への資料送付
E
  4)成人病健康診断の実施
E
  5)診断結果の本人への通知・管理
D
  6)二次検査対象者のフォロー
D
 b.一般健康診断  
  1)日程計画立案
D
  2)名簿作成
E
  3)受診者への資料送付
E
  4)健康診断の実施
E
  5)診断結果の本人への通知・管理
E
  6)二次検査対象者のフォロー
D
 c.雇入時の健康診断  
  1)日程計画立案
D
  2)名簿作成
E
  3)受診者への資料送付
E
  4)健康診断の実施
E
  5)診断結果の本人への通知・管理
E
  6)二次検査対象者のフォロー
D
2.クラブ活動  
 a.年度予算に基づき補助金の各部会交付
D
厚生施設 
1.食堂  
 a.委託契約変更
C
 b.支払伝票起票
E
 c.什器・備品・消耗品の維持管理
D
 d.来客用食券購入・管理
E
2.社員保養所  
 a.契約の変更
C
 b.利用規則の改定・立案
D
 c.什器・備品・消耗品の維持管理  
 d.保養所利用申込者受付・管理
D
 e.保養所利用者の手引き配布
E
 f.利用者に対する鍵の引渡しと回収管理
E
 g.利用料金の請求・領収・入金
E
 h.クリーニング代の集計・支払伝票起票
E
3.健康保険組合保養所  
 a.保養所利用案内書の社内掲示
E
 b.申込者受付
E
 c.申込者名簿送付
E
 d.申込者への通知
E
4.各種催事物  
 a.各種催事物の社内掲示
E
 b.利用申込者受付
E
 c.利用申込者名簿送付
E
 d.利用申込者への通知
E
慶弔関係 
1.結婚  
 a.届出の受理
E
 b.お祝金の支給
E
 c.祝電手配
E
2.出産  
 a.届出の受理
E
 b.お祝金の支給
E
3.傷病  
 a.届出の受理
E
 b.見舞金の支給
E
4.死亡  
 a.届出の受理
E
 b.慶弔金支給・供花手配
D
 c.弔電手配
E
5.災害  
 a.届出の受理
E
 b.見舞金の支給
E
6.永年勤続  
 a.対象者の確定
D
 b.表彰状の手配
E
 c.祝い品の選定手配
E
 d.対象者への通知
E

▲PAGETOP

9.人事のアウトソーサーの拡充

人事のアウトソーシングは10年前から注目されていました。

リクルートやパソナの成長ぶりが証明している。 大企業の人事部門の一部が独立して、アウトソーシング会社となるケースが相次いでいる。

三菱商事の人事部は人事の業務を約800に細分化し、それぞれのフローチャートにえがき、アウトソーシングが可能かどうかを判断し、約500の業務が自社のアウトソーシング事業部に移管された。その結果、内部に残った仕事は、広い視点で全体を見る仕事中心になった。

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10.世界最大のアウトソーシング会社の例

アメリカのアウトソーシング事業の歴史は古いが、顕著な事例として、ロスペロー氏が設立したEDS(エレクトリック・データ・システム)が引き受けた情報処理サービスのアウトソーシングが挙げられる。

現在のEDSは売上げ高124億ドル(95’)純利益9億3800万ドル社員95000人の企業である。

そのうち、アウトソーシングの売上げは43億ドルで世界ナンバーワンのシェアがある。 EDSは、アウトソーシングとして、顧客企業のシステム構築を請負うと、顧客の情報システム部門は結果として合理化され、残された人員はEDSに移籍する。 そしてある日、EDSはそのシステム部門を丸ごと買収してしまう。あまりにもドラスティックなために日本的経営システムのなごりから我国にはなじまないと言う経営者もいるが、見方を変えると、人員の合理化の後に再就職斡旋で悩むこともなく、最新鋭のシステムになり、運用コストも削減できいいことずくめなのは間違いがない。

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11.アウトソーシングとコストダウン

企業がアウトソーシングに踏み切る最初の動機はコストダウンすなわち経費の削減であることが多い。 しかし、アウトソースした別な会社でも適正な範囲の利潤を確保すると仮定したならば必ずしもコストダウンにつながらないはずである。 では、どういう仕組になっているのか?

一般的なアウトソーサーの例

  • 給与などの人件費コストが低い
  • 労働生産性が高い
  • 稼働率が高い
  • 受託先を複数抱えることで設備投資が効率的に行える  など。

以上のことから、単に抗すとだけを考えるのであれば、委託元が特に人件費などの費用が高い場合を除いてあまり期待できないというのが実状であろう。

何故なら適正なサービスには適正な価格が必要であり、価格を低くしようと思えばサービスも低下せざるを得ないと考えるのが当たり前だからである。

それよりもむしろ、発想を転換してコストを削減するためではなく、経費効率を改善して収益拡大を目指すものであると考えるべきであろう。

同じコストであってもの高い専門性や信頼性により安心して任せられれば、本業により力を注げるのは間違いがないのである。自社の強みをより発揮するために弱みを保管してくれるような関係になるように考えるのが目先のコストダウンより重要なのである。

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12.アウトソーシングを成功させるポイント

最後にせっかくアウトソーシングという今までにない試みを始めるに当たって成功させるポイントについて考えてみたい。

先ず何のためにアウトソーシングするのかという目的を明確にしておく必要がある。

きちんと社内の人間にもアウトソーサーにも明確にして、到達点を示しておく必要があろう。 具体的に示さねば文化が違う企業間での仕事はうまく行かない。おおまかな構想だけでは、試行錯誤を繰り返して無駄な時間とコストを使うだけで到底しっかりしたものが出来あがるはずもない。

従って、発注の際は委託する内容を細かく区切って委託する必要がある。 当然見積もりも項目ごとに明確にしたい。 そうすることで、単価が明確になり価格検討の参考になる。丸ごといくらという内容では、サービスに対して価格がどうなのかということが明確にできなく、投下額に対する効果がつかめなくなってしまう。また、アウトソーシング先も永遠に同じところというわけには行かないケースも有り、そうした時に資料をきちんと作ということは委託内容の範囲と質を明示できることになる。

次に、業務を進めていくと、企業ごとの文化の差というもに注意する必要がある。

例えば、表記記号・書式・略称・手続の流れ・方法など挙げられる。 自社内では当たりまえと思っていることが実は世間一般とは違うという事が意外に多いのである。

次に実際に仕事をしていくと当初の方針とずれが生じてくることがある。この当たりの、運用の管理や業務の評価をきちんと行い、ウイークポイントの改善に勤めたり、軌道修正をしていかなければならない。お互いにいい仕事をしていくにはまかせっきりにせずに、しっかりと牽制をしておく必要が有るのである。

そして最後に、対等なパートナーシップで仕事をしていくとが重要である。 元請けだとか下請だとかいう上下関係をあまりにも意識し過ぎると違うところでパワーを使ってしまい本来の業務の遂行に支障をきたしかねない。 したがって、敵味方ではなく、両者が勝利を収めるにはどうしたらいいかということを原点にしていくことが大事なのである。

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